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2026/9/18

IT導入補助金の採択率は約4割|公式の件数で計算した2026年の実態

IT導入補助金の採択率は約4割|公式の件数で計算した2026年の実態

IT導入補助金の採択率を調べると、43.8%、40%台前半、70%近くと、記事によって数字がばらばらです。
どれかが間違っているというより、どの枠の、どの年の、どの回の数字なのかが記事ごとに違っています。

そこで、事務局が公表している申請件数と交付決定件数から、枠ごと・回ごとに計算し直しました。
あわせて、Go-Riverが自社で補助金を使ったときに、申請の前に決めたことを書きます。

この記事でお伝えしたいこと

2026年のデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の通常枠は、1〜3次の3回とも採択率が42〜44%で、通算では43.2%でした。

事務局が2026年9月2日に更新した「申請数および交付決定数」から算出しています。

10社が申請して、約4社が通る水準です。

採択率は申請する側では動かせません。

動かせるのは、補助金に合わせて買うものを決めるのではなく、先にやることを決めて補助金を合わせる順番です。

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2026年の採択率は通常枠で約4割

2026年から、IT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」に名前が変わりました。
検索では今も旧名称がよく使われているので、この記事では両方の呼び方を使います。

用語解説:デジタル化・AI導入補助金

デジタル化・AI導入補助金とは、中小企業や小規模事業者が業務ソフトやAIツールなどを導入する費用の一部を国が補助する制度のことです。2025年まではIT導入補助金という名前でした。申請の目的や対象のツールによって、通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠などの枠に分かれています。

2026年の通常枠は、1次から3次まで次のとおりでした。

申請数

交付決定数

採択率

1次(交付決定 2026年6月18日)

2,028

891

43.9%

2次(交付決定 2026年7月23日)

1,879

819

43.6%

3次(交付決定 2026年9月2日)

1,913

807

42.2%

3回の通算

5,820

2,517

43.2%

(出所:デジタル化・AI導入補助金2026 事務局「交付決定事業者一覧」の「申請数および交付決定数」2026年9月2日更新・2026年9月18日確認。採択率はGo-Riverが交付決定数÷申請数で算出)

3回とも42〜44%の範囲に収まっていて、回によって大きく上下してはいません。

採択率は交付決定数を申請数で割って出しています

事務局が公表しているのは申請数と交付決定数の2つです。この記事の採択率は、交付決定数を申請数で割った値です。事務局が「採択率」という数字を直接出しているわけではないので、ほかの記事の数字と比べるときは、この計算の仕方がそろっているかを確認してください。

公式の件数から枠ごとに計算する

同じ補助金でも、枠によって採択率はかなり違います。
2026年の1〜3次を枠ごとに計算すると、次のようになりました。

1次

2次

3次

3回の通算

通常枠

43.9%

43.6%

42.2%

43.2%

インボイス枠(インボイス対応類型)

46.9%

55.3%

44.7%

48.8%

セキュリティ対策推進枠

72.7%

71.4%

72.2%

72.4%

(出所:同上。複数者連携デジタル化・AI導入枠は1次の申請2件・交付決定1件(2026年7月23日交付決定)のため表から外しています)

セキュリティ対策推進枠がいちばん高く、通常枠がいちばん低い結果です。
ただし、枠ごとに対象となるツールや目的が違うので、採択率が高い枠を選べば通りやすくなる、という話にはなりません。
自社が入れたいものがどの枠の対象かを先に確かめ、その枠の数字を見るのが順番です。

2025年と比べると何が変わったか

2025年の通常枠は通算37.7%だった

2025年のIT導入補助金の通常枠は、1〜8次の8回で次のとおりでした。

申請数

交付決定数

採択率

1次

2,979

1,511

50.7%

2次

3,516

1,447

41.2%

3次

3,856

1,174

30.4%

4次

2,742

935

34.1%

5次

2,976

1,103

37.1%

6次

2,624

931

35.5%

7次

2,456

930

37.9%

8次

2,523

905

35.9%

8回の通算

23,672

8,936

37.7%

(出所:IT導入補助金2025 事務局「交付決定事業者一覧および交付申請件数」2026年2月17日更新・2026年9月18日確認。採択率はGo-Riverが算出)

2025年は1次の50.7%から3次で30.4%まで下がり、その後は34〜38%の間で推移しました。
2026年の1〜3次の42〜44%は、2025年の通算37.7%より高い水準です。

申請の件数は同じ回で3〜5割減った

大きく変わったのは申請の件数です。
同じ回どうしで比べると、2026年の通常枠の申請数は2025年から大きく減っています。

2025年

2026年

増減

1次

2,979

2,028

約32%減

2次

3,516

1,879

約47%減

3次

3,856

1,913

約50%減

(出所:各年の事務局「交付決定事業者一覧」から算出・2026年9月18日確認)

申請が減った理由は公表されていません。
ここでは、件数が減ったことと、採択率が42〜44%で安定していることを、事実として並べるにとどめます。

検索で見かける採択率がばらばらな理由

検索すると採択率の数字が記事ごとに違うのは、主に3つの理由によります。

通常枠とほかの枠を合わせて計算している

通常枠だけで計算するか、インボイス枠などを合わせて計算するかで、数字が変わります。
2026年の1〜3次で、すべての枠を合わせて計算すると47.2%になり、通常枠だけの43.2%より高く出ます。
複数者連携枠を含む全枠の合計で、交付決定8,519件を申請18,052件で割った値です(同データから算出)。

どの年・どの回の数字かが違う

2025年の1次だけなら50.7%、3次だけなら30.4%です。
どの回を切り取るかで、同じ年でも20ポイントの差が出ます。
さらに2024年以前の数字と比べると、上がった・下がったの印象も変わります。

計算の分母がそろっていない

事務局が公表しているのは申請数と交付決定数です。
これ以外の数字を分母にしている記事もあるので、出典と計算の仕方が書かれているかを確認してください。

Go-River:採択率の数字は、申請する側では動かせません。動かせるのは、何のために補助金を使うのかを、申請の前に自社で決めておくことです。

使った側が申請前に決めたこと

Go-River自身、自社にAIを入れるときにこの補助金を使いました。
制度の読み解きと申請は、外部の支援事業者にお願いしています。

補助金に合わせて買うものを決めなかった

補助金が使えると聞くと、何が対象になるのかから考えたくなります。
けれども「補助金が使えるから、これを入れよう」という決め方をすると、たいてい遠回りになります。

Go-Riverは、先にやることを決めて、そこに補助金を合わせました。
何に困っていて、どこから手をつけるのか。
この順番で組めたので、同じ予算でも投資対効果の高い使い方ができました。

Go-River:助かったのは、支援事業者との話が「制度はこうなっています」で終わらなかったことです。うちが何に困っていて、どこから手をつけるべきかまで、一緒に考えてもらえました。

申請は登録支援事業者と一緒に作った

この補助金の交付申請は、申請する会社だけでは出せません。
事務局に登録されたIT導入支援事業者と一緒に作る決まりになっています。

用語解説:IT導入支援事業者

IT導入支援事業者とは、補助金の対象となるツールを登録し、申請する会社と一緒に交付申請を作る事業者のことです。事務局に登録された事業者でなければ、この役割を担えません。

Go-Riverがおつなぎする支援事業者は、次の3つを満たす相手だけにしています。

  • デジタル化・AI導入補助金の登録支援事業者であることです。

  • ITコーディネータ(経済産業省推進資格)が在籍していることです。

  • 経済産業省の「Smart SME Supporter(情報処理支援機関)」の認定を受けていることです。

ご案内

補助金を使うかどうかを決める前に、自社のどこから手をつけるかを一緒に整理します。

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申請の前にそろえる3つの準備

申請そのものより、申請にたどり着くまでの準備に日数がかかります。
事務局の案内では、次の3つを先にそろえます。

  1. GビズIDプライムを取る:発行までおおむね2週間かかります

  2. SECURITY ACTIONを宣言する:宣言済みのアカウントIDの発行までおおむね2〜3日かかります

  3. 支援事業者と申請を作る:交付申請は支援事業者との共同作成です

(出所:デジタル化・AI導入補助金2026 事務局「新規申請・手続きフロー詳細」STEP02・STEP04・2026年9月15日確認)

用語解説:GビズIDプライム

GビズIDプライムとは、国の補助金などの電子申請に使う、法人・個人事業主向けの共通アカウントのことです。補助金の申請には、このアカウントが必要です。

2026年の締切と交付決定の予定

2026年9月18日時点で公表されている通常枠のスケジュールは次のとおりです。

締切

交付決定(予定)

5次

2026年9月29日(火)17:00

2026年11月9日(月)

6次

2026年10月30日(金)17:00

2026年12月10日(木)

7次

2026年12月1日(火)17:00

2027年1月19日(火)

(出所:デジタル化・AI導入補助金2026 事務局「事業スケジュール」、中小機構「補助金活用ナビ 補助金スケジュール」2026年9月11日更新。いずれも2026年9月18日確認)

4次(2026年8月25日締切)の結果は、2026年10月7日に発表される予定です(同)。
発表されたら、この記事の採択率の表を更新します。

交付決定の前に買ったものは対象になりません

この補助金は、交付決定のあとに契約・発注・支払いをしたものだけが対象です。申請して採択を待っているあいだに先に買ってしまうと、補助の対象から外れます(デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領 通常枠・2026年9月17日確認)。

よくある質問

採択されたら、すぐにツールを買ってよいですか

交付決定の通知を受けてから契約・発注・支払いをします。
申請した日や、締切の日から買えるわけではありません。
5次(9月29日締切)の場合、交付決定の予定は11月9日です。

採択率が高い枠で申請したほうが通りやすいですか

枠ごとに対象となるツールや目的が決まっているので、採択率の高さで枠を選ぶことはできません。
2026年の1〜3次では、セキュリティ対策推進枠の採択率が72.4%と高く出ていますが、この枠はセキュリティ対策のためのサービスが対象です。
自社が入れたいものがどの枠の対象かを、先に確かめてください。

採択されなかったら、どうすればいいですか

公表されている件数からは、個々の申請が通らなかった理由はわかりません。
次の回に向けて準備し直す場合も、再申請の条件は事務局の公募要領とよくある質問で確認してください。

補助金に合わせて買うものを決めていた場合は、申請内容より先に、何のために入れるのかを決め直すところから始めます。

採択率はこれから下がりますか

先の採択率は、公表されている情報からは判断できません。
2026年の通常枠は1〜3次の3回とも42〜44%で、いまのところ大きく動いていません。
4次の結果が10月7日に発表されたら、この記事の表を更新します。

採択率より先に決めることがある

2026年のデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の通常枠は、公式の件数で計算すると採択率43.2%でした。
10社が申請して、約4社が通る水準です。

検索で見かける採択率がばらばらなのは、枠・年・回・計算の仕方がそろっていないからです。
数字を比べるときは、出典と計算の仕方を確かめてください。

採択率は、申請する側では動かせません。
動かせるのは、補助金に合わせて買うものを決めるのではなく、先にやることを決めて補助金を合わせる順番です。

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